事例紹介


・ボナロン錠35mg 1錠 起床時 

 起床時の服用を忘れてしまう。(服用困難な場合)

ボナロン錠の注意事項

①起床後すぐに服用をする。

②服用後30分間は、横にならない又飲食を避けて下さい。

 

起床時に服用する意味を考えてみましょう。

→ボナロン錠は、食事に影響されやすい薬です。とお話をしても多少効果が落ちる程度と思っていないでしょうか?

食事の影響について

 

Cmax

AUC

起床時 2.85  10.42
食前30分 2.11 3.83
食後30分 0.19 0.67
食後3時間 0.38 1.52

※Cmax:最高血中濃度(血液中の薬の濃度が最も高くなった時の濃度)

※AUC:血中濃度曲線下面積(生体で薬がどれくらい利用されたかの指標)

上記の表から食事の影響によりボナロン錠の効果が全然違う事がわかります。

起床時に飲み忘れてしまった場合、気が付いた時に飲んでしまうと時間帯によってはほぼ効果が無い場合も考えられます。

薬剤師としてのアドバイス

飲み忘れた場合対応

通常1週間に1回の薬は曜日を決めて服用します。

もしも飲み忘れた場合には、翌日の朝起きたときに服用して下さい。

もしも次の日忘れた場合には、翌々日の朝起きた時に服用して下さい。

このままずっと忘れてしまった場合には、通常服用する曜日の前日でしたら服用して頂いて構いません。

そうなると2日連続になってしまいますが、それでも問題ありません。

ただし、1日に2回分を服用するのことはしないで下さい。

服用する曜日が変わってしまっても最初に決めた曜日を変更しないようにして下さい。

薬剤師がご提案できる改善策

1週間に1回での服用が困難な場合には、月に1回の服用で済む薬もあります。飲む回数がかなり減りますので、患者様の負担は軽くなると思います。

また、毎日服用する製剤もあります。

週1回から1日1回の服用にすることで、飲み忘れが増える場合もありますが、服用する習慣が出来て飲み忘れが減る場合もあります。

人によっては、月に1回や週に1回よりも毎日飲むことで飲み忘れが少なくなることもあります。投与間隔が長くなれば飲み忘れが少なくなると思いこまず、その人にとって最適な用法を選ぶことも必要になります。

用法以外にも服用が困難な方や服用にストレスを抱えている患者様には、錠剤以外にゼリー製剤をご提案させて頂きます。

喉につっかえると食道を荒らしてしまう恐れがありますので、剤形の変更も必要な選択肢になります。